アカスタ片麻岩とアミツォーク片麻岩

(Acasta & Amitsoq gneiss)



 ナダのアカスタ湖周辺にあるアカスタ片麻岩(左写真)は、世界で最も古い岩石です。年齢は39.6億年と計算されています.グリーンランドの西南のアミツォーク片麻岩(下写真)は38億年です.片麻岩というのは、比較的大きな結晶をふくんだ岩石が、両側から強い圧力で押され、シマもようをもつようになったものです.岩石には、ジルコンという鉱物が含まれ、この鉱物を分析することで、大変古い石であることが分かりました.(→年代測定法 )

 

 ミツォーク片麻岩もアカスタ片麻岩も白っぽい色をしています.白くなっているのは、ケイ酸とよばれる物質がたくさんふくまれているからです.しかし、マントルにはそれほどたくさんのケイ酸が含まれていません.マントルの一部がとけて固まり、またその一部がとけて固まる.といった具合に、とけて固まるということを繰り返して、ケイ酸の量はだんだんふえていきます.  どろどろにとけたマグマが最初に固まると、アミツォーク片麻岩やアカスタ片麻岩よりもケイ酸の少ない岩石ができます.これが海洋地殻をつくるのです.そして、生まれたばかりの地殻は激しくぶつかりあい、沈みこんだ海洋地殻の一部がとけることで、ケイ酸の多い白っぽい石がでました。これが最初の大陸地殻をつくったのだろう、と考えられています.

 まり、40億年前にはすでに地表は固い地殻でおおわれていて、おそらく海もあっただろうと考えられます。でも、地球内部はまだまだ熱く、でき上がったプレートも、はげしくぶつかりあったり、地下深くもぐって溶けてしまったり、をくりかえしていました。