植物の上陸



 ゾン層ができ、太陽からの強い紫外線がさえぎられるようになると、まず植物が陸へと上がりはじめました。動物は植物やほかの動物を食べないと生きてはいけませんが、植物は水と二酸化炭素、太陽からの光があれば、一人で生きていくことができるからです。でも、当時の陸は、草一本生えない、乾いた砂漠のような場所だったと考えられています。植物たちは、水辺から上陸し、ゆっくりと内陸へと入りこんでいきました。

 物は枯れて積み重なり、土になりました。枯れた植物からできた土は、砂だけでできたそれまでの土よりも、たくさんの水を蓄えることができます。植物は土の中に根を張り、水で土が流されないようにしっかりとささえました。こうして、乾いた陸が少しずつ緑でおおわれ、ついには森をつくるようになったのです(オーキフェノーキ)。湿った森の中では、昆虫がはいまわり、巨大なトンボが飛び回る、にぎやかな場所になりました。植物が陸に上がってやっと、動物たちも陸上へと上がりはじめたのです。