Elvis Costello先生



才能を今までやってなかった別のことをやるために使う必要があるんだ
― Elvis Costello ―

最初に断っておくけど、”She”がコステロの本質と捉えるのは大間違いです。

ぼくが最初にコステロを知ったのが、高3のときにポールのアルバム『Flowers In The Dirt』の”You Want Her Too”でのポールとコステロのデュエットでした。「ソフトなポールの声のあとからついてくる、この気合入った声は誰?」ってことになって、そのままにしていたのです。その2年後、BEN FOLDS FIVEを見るためにフジロックフェスに行くことになって、なんとコステロも出演するやん!ってことで、コステロの曲なにも知らないまま最前列のほうで構えてました(←ばか)。ぼくは、コステロの喉がはりさけんばかりのボーカルと、曲が繰り出すポップなメロディーにすっかり聞きほれてしまい、しかもスティーブのピアノとコステロのギターだけのセットで、そこにいた何万人ものお客さんの心をしっかり掴んでしまったのです。それからぼくはコステロが大好きになりました。

コステロがデビューした1977年のイギリスは、ピストルズ、クラッシュなどの登場でパンクの嵐が吹き荒れていて、コステロもその一部として見られていたけど、デビューアルバム『My Aim Is True』のスタイルは明らかにアメリカンロック的で、またビートルズの1st『Please Please Me』の影響も感じられるものでした。しかしコステロの歌詞や言動、そして楽曲が醸し出す空気はまさにパンク的で、パンク世代の代弁者「Angry Young Man」のイメージを決定づけることとなります。

それからというもの、コステロはバックバンド「アトラクションズ」とともに、ポップ・マスターとして次々とスタイルを変え、ブリティッシュ・ビートからR&B、アイリッシュ、ジャズ、カントリー、果てはクラシックまでさまざまな音楽的要素を自らの「POP」ミュージックとして、世に送り出すことになります。(注:Elvis Costello& The Attractions名義とElvis Costello名義がある)しかし、スタイルは変化しても、コステロが歌いつづける限り、曲の中には張り詰めた緊張感と最高のエンターテイメント性が感じられ、ほんと「POP」をわかってる人だなーって思います。

コステロのもう1つの重要なポイントは、さまざまなジャンルを超えたアーティストとのコラポレイトで、『King Of America』(86)ではアメリカ人の名うてセッションミュージシャンたちと、80年代後半からはポール・マッカートニーとの共作(「さー、Paul と Costello先生のステキな関係」に進む)、『The Juliet Letters』(93)では弦楽四重奏ブロドスキー・カルテットと共演、そして最近では、あのバート・バカラックと共作アルバムを制作し、その創作意欲は多彩ながらとどまるところを知りません。

コステロのライブは、まじすごいです。今まで3回しか行ったことないけど、最初のほうに書いたように、近年のスティーヴ(ピアノ)とコステロ(ギター)だけのセットにもかかわらず、むちゃくちゃロックです。99年12月の大阪公演ではアンコール5回を含めた40曲3時間!!もう泣きそうでした。そしてライブ終了後ぼくはコステロに会って名盤『My Aim Is True』(77)にサインしてもらって、いっしょに写真も取ってもらったのでした(「自己紹介」参照)。コステロ先生〜!

オリジナルアルバム おすすめ10曲

My Aim Is True(77)
This Year's Model(78)
Armed Forces(79)
Get Happy!!(80)
Trust(81)
Almost Blue(81)
Imperial Bedroom(82)
Punch The Clock(83)
Goodbye Cruel World(84)
King Of America(86)
Blood And Chocolate(86)
Spike(89)
Mighty Like A Rose(89)
The Juliet Letters(93)
Brutal Youth(94)
Kojak Variety(95)
Deep Dead Blue: Live 25 June 95(95)
All This Useless Beauty(96)
Painted From Memory(98)

Alison
Red Shoes
(My Aim Is True)
Chelsea
(This Year's Model)
Oliver's Amy
(Armed Forces)
Man Out Of Time
(Imperial Bedroom)
Everyday I Write A Book
(Punch The Clock)
Blue Chair
(Blood And Chocolate)
Veronica
Pads,Paws And Paws
(Spike)
So Like Candy
(Mighty Like A Rose)

さー、Paul と Costello先生のステキな関係

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