「さー、Paul」 と 「Costello先生」の
〜ステキな関係〜



(McCartney / MacManus)について

ぼくの曲の良し悪しをハッキリ指摘してくれる ― Paul McCartney ―
カスもいいとこ(Paulのある曲に対して) ― Elvis Costello ―
●1980年、ジョン・レノン死去後、その影響かポールのバンドWingsは空中分解し、ポールはソロとしての道を歩みます。そして、ビートルズ時代のジョンのような作曲上のパートナーを探し始めました。その後スティーヴィー・ワンダーやマイケル・ジャクソンとの共作を試み、商業的には成功したもののどこかぱっとしません。また86年の問題作『Press To Play』では、10ccのエリック・スチュワートと共作するも、ポールの地味な部分が際立ったように思います。

●それまでのポールのソロ作(Wingsを含む)は確かにスバラシイ作品も多いけど、楽曲単位で見るとどこか気の抜けたのもありました。ポールのソロ作で欠落していたものとは、ビートルズ時代にあった、ジョン・レノンの醸し出すピリピリした「緊張感」だったのです。


●ポールは、かつてのジョンのような対等のパートナーを必要としていました(ポールは自分にたてつく人物に敬意を表するらしい)。そこでコンタクトをとったのが、「怒れる若者」エルヴィス・コステロだったのです!(コステロもリバプール育ちで、ちなみに本名は「デクライン・パトリック・マクマナス」)


●コステロは、いかにポールといえども自分の意見をつき通し、また「ビートルサウンド」をあえて遠ざけてきたポールに対し、「それは君のものなのに、どうして使わないんだ」「シンプル・イズ・ベスト」と助言し、円熟して丸くなりそうなポールの音に喝を入れたのです。


●そしてポールは、しまいこんでたへフナー・バイオリン・ベースを再び手にし、コステロとの共作曲を含む復活作『Flowers In The Dirt』(89)を完成させました。そこには今までの作品になかったような「緊張感」があったのです。さらにポールはひさびさのワールドツアーに繰り出すことになります。一方、コステロのアルバムにも共作曲が収録され、レコード会社を移籍したこステロにとって、また全盛期をむかえることとなるのでした。


●その後、2人の共演ははスタジオだけではなく、ステージでも実現しました。とくに99年のリンダ・マッカートニー追悼ライブでの共演は涙ものです。これからも共作が続くかどうかはわからないけど、ぜひまた実現してほしいです。
共作曲
クレジットは(McCartney / MacManus)

Back On My Feetこの曲が全ての始まりだった。
ポールのシングル"Once Upon A Long Ago"収録(87)
My Brave Faceまるで『Rubber Soul』に収録さてそうな曲、ポールのへフナー・ベースに注目!歌詞が泣けます。
You Want Her Tooポールとコステロのデュエット。これはまさにポールとジョンの関係に匹敵!
Don't Be Careless Loveポールのファルセットが美しいバラード。
That Day Is Doneニューオリンズのマーチを意識した曲で、コステロっぽい。ポールのおきにいり。
ポールのアルバム『Flowers In The Dirt』(89)収録
Veronica2人の作風ががっちり噛合った最高のポップチューン。「とくダネ」のテーマソング。
Pads, Paws And Clawsひねりの効いたカントリータッチのロックンロール。ライブでは定番。
コステロのアルバム『Spike』(89)収録
So Like Candyポールっぽいラブソング。コステロの爆発ボーカルが!
Playboy To A Manこれもひねった感じのロックンロール。このひねりがポイント。
コステロのアルバム『Mighty Like A Rose』(91)収録
Mistress And Maid2曲とも2人の心の故郷アイルランド(ポールもコステロもアイルランド系移民
The Lovers That Never Wereの家系)やスコットランドを思わせるようなワルツ。
ポールのアルバム『Off The Ground』(93)収録
Shallow Grave激しぶい!ブロードウェイのミュージカルを思わせるような曲調ながら、完全にロック!コステロの轟音ギターがポイント。
コステロのアルバム『All This Useless Beauty』(96)収録
Twenty-Five Fingers
Tommy's Coming Home
未発表

共演
<スタジオ>
You Want Her Tooコステロがボーカルとキーボードで参加
Don't Be Careless Loveコステロがコーラスとキーボードで参加
That Day Is Doneコステロがコーラスで参加
(『Flowers In The Dirt』収録)
This Townポールがベースで参加
Veronicaポールがベースで参加
『Spike』収録)
<ライブ>
One After 909
Mistress And Maid
「ポールとその仲間たちの夕べ」(95)
Warm And Beautiful
That Day Is Done
Lonesome Town
All My Loving
Let It Be
「リンダ・マッカートニー追悼ライブ」(99)
●2人の共演を全網羅したブート盤があるので近いうちに手に入れてきます。

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