『ラインホルト・メスナーの肖像』発表1周年レポート
『ラインホルト・メスナーの肖像』はスバラシイ
2000.4 じょん
「これまでの自分をゆっくり振り返ってみる時間が持てたんだ。
それでああいうすごく内省的な作品になったんじゃないかな」
― BEN FOLDS ―
『ラインホルト・メスナーの肖像』(99.4.21) 1.Narcolepsy 2.Don't Change Your Plans 3.Mess 4.Magic 5.Hospital Song 6.Army 7.YourRedneck Past 8.Your Most Valuable Possession 9.Regrets 10.Jane 11.Lullabye |
1.はじめに ●去る99年9月7日、BEN FOLDS FIVE(以下BF5)大阪フェスティバル・ホール公演終了後、ぼくは呆然と客席を立ったままだったのを覚えている。そこにはライブ後の余韻はなく、自分のなかで「BF5やっぱスゴイ」と必死で言い聞かせようとしていたが、不思議などこか煮え切らない空気があった。これはぼくだけの話じゃないはず。ところどころ気持ちの高ぶる瞬間はあったが、、。(初来日や97年、98年フジロックでのBF5のステージにはスゴイのものがあった。初来日見逃したけど) ●「BF5やっぱスゴイ」と言い聞かせつつも、帰りの地下鉄の中で「BF5こんなはずじゃない」に変わっていて、大阪公演だけ見に行く予定だった頭のなかには、そのときすでに「東京公演で確めるしかない」という衝動が作用していた。ぼくは東京に行って、そこではすばらしいBF5ファンのみんなに出会えた。しかし、ライブの感想は10日の終盤と「あすみさんの『BENバースデー企画』」以外、大阪のときとほとんど変わらなかった気がする。 ●そのことに怒りや失望を感じたわけではなく、さまざまな理由を考えた。会場のせい??大きな会場でのすごいライブをぼくは何回か経験している。みんなのノリ??ライブが良ければ自然とついてくる話だ。BF5のやる気??そんなことがあるだろうか。彼らのパフォーマンスはいつだって最高である。テクニックも確実に成長しているし。 ●いろいろ考えた結果、その時点での最新作『ラインホルト・メスナーの肖像』(以下『メスナー』)に問題があると判断し、しかもいい意味で。と同時に、ライブ以来『メスナー』を何百回と聴きながら、それが現時点での「BF5最高傑作」であるという結論に達した。 |