2000万年間の大酸欠事件
ペルム紀の終わりから三畳紀のはじめにかけての地球は大混乱の時代でした。90%以上の生物が絶滅し、さらに2000万年間にわたり地球上にほとんど酸素がなくなってしまうという大事件までおきたのです。
酸素がなくなったというのがどうして分かるのでしょうか?じつは、その時代の地層を調べると、真っ黒い層が見つかるのです。酸素がたくさんあると、海底につもった生物の死骸などは微生物によって分解され、赤茶っぽい地層ができます。黒い地層があるということは、分解されなかった生物の死骸がたくさんあったということになります。つまり、酸素がなかったのです。
酸素が少なくなるという事件は、ほかの時代にもいくつか起きたことが知られています。しかし、どれもせいぜい100万年程度しか続かず、2000万年というとてつもなく長い年月にわたるものは他に知られていません。
酸素がなくなった理由としては、
・大陸が集まって超大陸パンゲアをつくり、大陸のふちに広がっていた、藻類のたくさんすむ浅い海がなくなってしまった。
・超大陸が衝突、分裂するときの激しい火山活動によって、チリが上空に舞いあがり、太陽からの光が届かなくなってしまった。このため植物が光合成をおこなうことができなくなってしまった。
などが考えられていますが、まだはっきりとしたことは分かっていません。