代謝(metabolism)


 

 命は細胞の中で、さまざまな物質を作ったり(合成)、こわしたり(分解)しながら生きています。なにを作り、なにをこわすかということを調節しているのは、タンパク質のなかでもとくに酵素(こうそ)とよばれるものです。酵素は、さまざまな物質が、細胞の中にどれくらいあればよいのかということを調節しています。たくさんありすぎる物質はこわし、足りない物質を作ります。さらに、自分自身の仲間をどれくらいこわし、どれくらい作るかということも調節しています。多ければこわすし、足りなければ作ります。こうして、酵素を中心に、さまざまな物質の反応や合成・分解が影響しあい、生物は生きているのです。生物の中に含まれる物質は、どのようなものでも、古いものからどんどんこわされ、新しいものでおきかえられています。このような現象を、「代謝(たいしゃ)」といいます。