原始大気



 球は、たくさんのいん石や微惑星(半径が何百メートルや何キロメートルもあるいん石)がぶつかりあってでき上がったものだといわれています.微惑星はぶつかり合い、くっつきあうことで、だんだんと大きくなっていきました。

 をこすりあわせたり、じゅうたんを手でゴシゴシとこすったりすると、熱くなりますね。それと同じように、岩と岩がこすれたり、ぶつかったりしても熱くなります。すると、岩石のなかに含まれていたガスや、蒸発しやすい物質は、気体となって外へとぬけだし、地球のまわりをおおいました.これが最初の大気となったのです.

 ん石から抜け出した大気は、厚い毛布のように地球をくるみ、地表の熱を閉じ込めてしまいます。それでもあいかわらず、いん石や小惑星は厚い大気をつきぬけて、どんどんと落ちてきます。

 うして地球はどんどん熱くなっていきました。生まれたばかりの地球は、真っ赤にもえる火の玉のように、表面が赤く、どろどろにとけた星だったのです.また、厚くて濃い大気の下で、気圧もとても高かったと考えられています。当時の地球は、とてもとても熱く、圧力も高い、私たちの住めないような星でした.

 まれたばかりの地球をおおった大気はどのようなものだったのでしょうか?実は、今でも地球のなかから同じようなガスが出てきているところがあります.それが火山です.火山から出てくるガスには、水蒸気、アンモニアや窒素(ちっそ)ガス、二酸化炭素、硫化水素(りゅうかすいそ)などが含まれていますが、私たちが生きていくのに必要な酸素は含まれていません.このことから、生まれたばかりの地球の大気にも、酸素は含まれていなかったと考えられています.

 球に酸素が現れたのは、地球が冷えて海ができ、生きものが生まれたあと、しばらくたってからのことです.