海の誕生
生まれたばかりの地球では、どろどろにとけたマグマが表面をおおい、厚い大気におおわれていました。いん石や小惑星はお互いに衝突を繰り返してはくっつき、だんだんと数が減ってゆきました。すると、地球に落ちてくるいん石の数もへってきます。いん石が地球にぶつかると熱を出します。でもいん石の数がへってくると、熱があまり生まれなくなります。地球は宇宙に熱をうばわれ、だんだんと冷えてきました。大気の中にたくさん含まれていた水蒸気も、地球が冷えるにつれ水となって、地表にふりそそぐようになりました。地球に最初の雨が降ったのです。
水は蒸発するときに、熱をうばっていきます。ぬれタオルで顔や手をふくと、ひんやりとしますね。それと同じようなことが、マグマにも起こりました。雨が熱いマグマの上に降ると、熱い鉄板に水をかけたときのように、水はジューッと音を立てて蒸発してしまいます。このときにマグマから熱をうばっていくのです。蒸発した水蒸気は、空高くにのぼっていきます。空高く登った水蒸気は、宇宙空間に熱を放出して冷やされます。そして、ふたたび水となって地表にふりそそぐのです。こうして水は、雨として降っては蒸発するというのを繰り返し、地球をどんどん冷やしていきました。
冷えたマグマは、黒く固い岩になりました。地球の表面は固い殻でおおわれるようになったのです。(→最古の岩石とその意味)
冷えて固まった地球の表面には、低くなったところに水がたまっていきます。海の誕生です。生まれたばかりの海には、岩石や大気からいろいろな物質がとけこんでいたと考えられています。そうした物質の中には、私たちの体をかたちづくっているような分子も含まれていました。海の中で、生命が生まれたのです(→生命の起源)。