NHK教育は、学校で生徒に視聴させるための学習番組を、ほとんど毎日放送しています。
ここでは、2001年度に放送されていた小中学校向け+幼児教育番組を、手短に紹介してみたいと思います。
なお、番組の対象学年と教科名は、NHKのホームページを参考にしました。



文章は、予告なしに、あとから修正されたり、削除されたりすることがあります。
ご注意ください。



さわやか3組  道徳。中学年向け
それゆけこどもたい  生活科。低学年向け
おこめ  総合的な学習の時間。高学年向け
あいうえお   国語科。小学1年生向け
データサイエンスしらべてサイエンス   理科。小学6年生向け
ふしぎ研究所   理科。小学4年生向け
なぜなぜ日本   社会科。小学5年生向け
まちかどド・レ・ミ   音楽科。低学年向け
うたっておどろんぱ!  幼稚園・保育所向け
いない いない ばあっ!  幼稚園・保育所向け
虹色定期便  道徳。高学年向け。
くらし発見  社会科。小学4年生向け。



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2002年度NHK学校放送入門 
1994年度NHK学校放送に関するささやかなメモ


さわやか3組


道徳。中学年向け。

 10年以上も続いている、長寿ドラマ番組である。

 長寿番組ではあるけれど、タイトルの「さわやか」という言葉に、真の意味での内実がともなったのは、つい最近の、一年前のことである。

 それより以前の『さわやか3組』の「さわやか」は、他の道徳番組でも十分見られる程度の「さわやか」にすぎなかった。
 せいぜい、3組の生徒がさわやかな番組だ、ということにおいてのみ独自性を持つ『さわやか3組』というタイトルであった。
 主張し、自律する「さわやか」はなかった。
 どこにでもある「さわやか」だったのである。

 しかし、昨年度の路線変更によって、ついに、この番組は、決定的な「さわやか」を獲得した。

 というのは、

 さわやか= 頭が悪いさま

 という等式を、NHKが発見したのである。
 そして、この等式を応用して、次のように話を展開させてゆく。

 頭の悪い男の子たちが、頭の悪い問題をひき起こして、女子たちに冷ややかな視線を注がれながら、頭の悪い解決の仕方をする。

 彼らの頭の悪さは、明快であり、滑稽であり、ちょっと切実であり、感動的である。
 「さわやか」と呼ぶほかはない「さわやか」さだ。
 スタッフも子役も大人役もみんながみんな「さわやか」につっ走る『さわやか3組』。
 タイトルと中身の幸福な一致である。


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それゆけこどもたい


生活科。低学年向け。

こどもたちが、地域のお店から段ボールをもらってきて、秘密基地をつくるのです。
その様子を、番組は、のんびりほのぼのとドキュメントしてゆくわけなのです。
視聴者であるわれわれには、秘密基地の定義が、さっぱりわからなくなっているのでした。


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おこめ


おこめをとおして、農業や農法、社会、地理、歴史などを複合的に学習する。高学年向け。

稲作農家の仕事を、一年がかりでていねいに取材してゆくようで、とても勉強になります。
ホームページでは、番組で紹介された田んぼの様子をリアルタイムに観察できるそうだ。よい試みですね。
だが、ドリームキャストでは、トップページすらまともに見ることができない。
おこめという単語が、ペアレンタルコントロールにひっかかるから、という理由ではないらしい。

http://www.nhk.or.jp/okome/index.html



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あいうえお


言葉や文字について学ぶ。小学一年生向け。

見てみたところ、どうやら一昨年度分の再放送であるらしいことに気がついた。
私は興味を失い、チャンネルを変えた。
ワイドショー。残忍で凄惨な少年事件。
私はあまりのいたましさにチャンネルを戻した。
ファンシーな世界。少女がほほえむ。

めまい・・・
チャンネルのボタンとボタンのはざまに横たわる、このすさまじい距離・・・
暴力と言葉が、遠く、はるかに遠く引き離されてしまったのだ。

私はしばらく放心し、数年前に、プリンプリンというお笑いコンビがこの番組でレギュラーだったころを思い出していた。
背の低い方は、こう言ったのだった。
「ちのつくことば、ちばしんいち」

千葉真一は強くてやさしい。
今ほど、千葉真一の人間性が求められている時代はない。
千葉真一とは、暴力と言葉とロマンとがひとところに邂逅する奇跡の現場である。
来年度の『あいうえお』は、未来を担う子どもたちのために、千葉真一の生きざまをこそ放送する責任があると思うのだ。


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データボックスしらべてサイエンス


理科。小学6年生向け。

 主役の女の子の、焼酎焼けしたような声と、ソファーのだらしない座りかたとが、番組全体に、気だるい雰囲気をかもしだしていると思うのです。
 ちなみに、5年生向け理科番組『わくわくサイエンス』に出ている女の子も、ハスキーボイスです。
 どちらもまだ、お昼前の番組です。


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ふしぎ研究所


理科。小学4年生向け。

 NHK教育の理科番組には、毎年、スターウォーズ枠というものがある。
 映画『スターウォーズ』に出てきたのとそっくりなロボットが出演する番組枠、それがスターウォーズ枠だ。
 勝手に命名してみた。

 これまで、この枠の番組に出演していたロボットは、スタッフのリモコン操作で動くR2ーD2もどきであった。
 このR2ーD2もどきは、結構でかくて重そうなのに、屋外ロケに出ることもあったからすごい。
 持ち運びするスタッフの体力を想像し、ほとほと感心させられた。
 番組が終了すると、少し改造を加えて、他の年に使い回ししていたようだ。
 『ふしぎ研究所』には、人型のロボット・C3POもどきが出演中。
 つまり、この番組が今年度のスターウォーズ枠である。

 この枠、はっきりとは言えないが、再放送も含めて、10年近く(以上?)存在し続けているのではないだろうか。
 『スターウォーズ エピソード1』が封切られるよりも、もっと前から続いているはずだ。
 なぜNHKは、長年にわたってこれほどまで『スターウォーズ』にこだわるのだろうか。
 私には、2つほど、説が考えられる。

 まず一つ目の説はこうだ。
 スターウォーズはSF戦争映画である。
 そんな作品に登場するロボットを模して、理科番組に出演させるということ。
 それは、「科学の進歩が、必ずしも幸福をもたらすとは限らない。悲惨を呼び起こす戦争兵器を生み出すことさえあるのだ。子供たちよ、科学万能の時代はもうとっくに終わっているのだよ」 という、子供たちへの暗黙のメッセージを発信しているのだ、という説。

 だが、私は、次の説を採りたいと思う。
 子供たちに向けて、暗黙のメッセージがこめられているというところは上と同じであるが、そのメッセージの内容がちょっと違うというものだ。



「子供たちよ。NHK職員になれば、自分の趣味で番組が作れるぞ」


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なぜなぜ日本


社会科。小学5年生向け。

 うじきつよしは1957年、東京都に生まれた。
 高校時代に、ロックグループ『子供ばんど』を結成する。
 キャニオンレコード所属を経てEPICソニーに移籍するが、レコードにつけたおまけが購入者全員にいきわたらなかったことから、商品の流通のありかたに「なぜなぜ」を呈し、会社から離脱。
 自主制作した作品を、ライブ会場でメンバー自らが、一枚一枚手売りし、経済の仕組みを知る。
 10数年の活動期間中、ライブを行った回数は2000を越えるというほどに日本全国津々浦々を行脚し、観察する。
 アメリカや、香港などでも活動。他国の事情を実地で学ぶ。
 また、テレビアニメ『北斗の拳』の二代目主題歌(『SILENT SURVIVOR』)と劇場版の挿入歌を担当し、声で子供の心をつかむ術を学ぶ。
 活動休止後、映画『226』に出演。台本どおりに演技する術を学ぶ。
 さらに、フジテレビ『カルトQ』の司会を担当。決め文句をばっちりこなす術を学ぶ。
 フジテレビ『平成教育委員会』では、解答者として出演。小中学校の入試問題を解くことで、日本の教育水準について学ぶ。
 日本テレビ『WHY?とはうす』の司会を担当。アメリカのホットな時事ネタを紹介し、他国の政治や風俗を学ぶ。

 そして、2001年。
 「しらけてながめているのが大人だという国で」(『カウントダウン』)、なぜなぜを追究する教育番組『なぜなぜ日本』の案内役を担当。
 この番組は、彼の人生の集大成である。



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まちかどド・レ・ミ


音楽科。低学年向け。

今をさかのぼること4年前、『まちかどドレミ』をはじめて見た時、私はとても驚いたのだった。
というのは、この番組が、従来の子供向け音楽番組の枠や既成概念を、大きく打ち破ったものだったからだ。

ルックスにも歌唱力にも恵まれていないおねえさん。
(しかもミニスカ着用)
ただただ、憎たらしいだけの人形キャラ(カエル)。
しょっぱなから破綻している世界設定。
50人いたら47人まではどうだっていいと答えるであろう、毎回しつこく流れる『伝説のコンビニ』の歌。

なんなんだ、この番組は????
頭の中で、ずっとずっと疑問符が巡り続けていた。
お恥ずかしながら、私が、『まちかどドレミ』という番組について、少しはまとまったような考えを持つに至ったのは、つい最近、「破壊王・橋本真也」をきっかけにしてのことだ。

その頃、新日本プロレス所属のレスラーだった橋本真也が、突如、新団体『プロレスリングゼロワン』を旗揚げした。
そして、プロレスファンの誰もが不可能だと思っていた、新日本プロレス(猪木派)のレスラーと、プロレスリングノア(馬場派)のレスラーの夢の顔合わせを、「破壊なくして創造なし」というキャッチフレーズのもとに、いともたやすく実現させてしまった。
このできごとが、私の頭の中で、『まちかどドレミ』とオーバーラップしたとき、私は、ようやくにして、気づいたのであった。

『まちかどドレミ』は、橋本真也なんかよりもずっと早くに、「破壊なくして創造なし」を、すでに、実践していたのだ。
志を高く掲げ、子供向け音楽番組に、いまだかつてない、新たな潮流を生み出していたのだ。

スタッフは、「音楽番組のおねえさんが、歌がうまいのは当たり前」という業界の暗黙の了解を破壊し、さらに、おねえさんに、どうでもいい歌を歌わせた。
そして、どうでもよくない歌は、新キャラのおねえさんを登場させて、歌わせた。

主役=どうでもいい歌(だいたい、番組のオリジナル曲)
新キャラ=どうでもよくない歌(エーデルワイスなどの名曲)

こんな分担がずっと続けば、いずれ、主役のおねえさんの立場があやうくなるのは明白だ。
新キャラのおねえさんにしてみれば、なぜ自分が主役でなくて脇役なのか、まったく納得できなかっただろう。

両者にとって、この扱われ方は、屈辱以外の何物でもない。
「私は噛ませ犬じゃない」という叫びこそが、二人の率直な心境だったはずである。
以後、『まちかどドレミ』は闘いのワンダーランドと化した。
番組から漂う、二人のかみあわない空気は、まさしく、ストロングスタイルの現れであった。
やるかやられるかだったのだ。

やがて、まともに歌えるおねえさん”ロビン”は、番組から姿を消した。
まともに歌えないおねえさん”チカ”は、ディフェンディングチャンピオンとして、翌年もメインを飾り続けた。
チカの勝利であった。

素人目には、容易には承伏しがたい試合決着だ。
だが、おそらく、チカは、猪木のいう「風車の理論」を応用したものと思われる。
それは、相手の力までも利用して勝つという難解な理論だ。
夢見れば、テイクアドリーム。
近年、まれにみる名勝負だった。
今さらではあるが、私は、二人の選手と、この闘いをプロデュースせしめたスタッフに、心からの惜しみない拍手を送りたいと思うのである。

現在、この番組のおねえさんをつとめているのは、”クルミ”である。
今年で三年目だ。
初年度は、パパイヤ鈴木と二人で、メインをつとめあげた実績がある(昨年度はその再放送だった)。

とはいえ、パパイヤ鈴木は歌が下手だった。
本業は振りつけ師ではあるけれど、踊り自体も、うまいといえるほどのものは、あまりもちあわせていなかった。
人並程度にはなんでもできるクルミの圧勝であった。
クルミにとっては楽すぎた闘いであったといえる。

だが、今年度、番組の振り付け師が、ラッキィ池田に替わったことにより、状況は一変した。
振りつけが、どれも、異様に忙しいものになったのだ。
番組自体、歌うことよりも踊ることの方に力を入れるようになったようだ。

そして、そんなおり、クルミの対戦相手にブッキングされたのは、”ナナ”。
どれほどあわただしい踊りにおいても、振りのいっさいを簡略化することなしに、余裕をもって、体を動かすことができる少女である。
表情豊かに、長い手足を自在に駆使する様は、実にテレビ映えする。
その身体能力の高さは、初代タイガーマスクを彷彿とさせる、とでもいえば、わかりやすいだろうか。
インターネット時代といえども、世界には、いまだ、未知の強豪が知らないところでひしめきあっているという事実を、私は思い知らされたのであった。

一方、現チャンピオンであるクルミはといえば、相対的に、身のこなしの速度が足りないように見える。
二人が一緒に踊る場面も多いのだが、クルミの動きの硬さばかりが露呈され、かなり見劣りしてしまう。
それは、見ていて、痛々しいほどだ。

かつて、新日本プロレスは、アンドレ=ザ=ジャイアントという大きな選手を使って、前田日明(まえだあきら)という選手を潰してしまおうと目論んだことがあった。
それと同じような力が、今年の『まちかどド・レ・ミ』で働いているようにも見てとれる。
状況の一切は、クルミにとって、不利だ。
歌い手の力量が問われるような、じっくりと聞かせる歌があまり流れないこともあって、ナナの歌声だけでも十分のように思える。
だんだん、ナナの方がメインイベンターにふさわしいようにも思えてくる。


クルミは、このまま、橋本真也 VS 小川直也戦のように、完膚なきまでにたたきつぶされて終わってしまうのだろうか。
それとも、アントニオ猪木 VS ビッグバンベイダー戦のように、そう、チカのように、奇跡の逆転勝利を起こすことができるのだろうか。
ここが、最大の正念場となるだろう。

さあ、みんなも、テレビの前で、一生懸命、クルミを応援しよう。
願いが届けば、きっと、番組のマスコット人形のロックが、なんとかしてくれるはずだよ。



ロック
http://members.tripod.co.jp/miyearn/rock.html


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うたっておどろんぱ!


幼稚園・保育所向け。

レギュラーメンバーだけで、歌ったり、踊ったり、コントをしたりする、とても愉快な番組です。

それにしても、懐かしのアイドルグループ、CHA-CHA(チャチャ)が出演しているのには、驚きました。
しかも、昔、欽ちゃんの番組に出ていたころよりも、ダンスが格段にレベルアップしています。
それはそれは、ほれぼれするほど、みごとな踊りっぷりです。

それでも、見ていて、なんともいえず、なごめるんですよね。
べたべたなギャグも、楽しいように思えてしまうし。
たぶんきっと、私たちの中には、ひっそりと、しかし確固として、萩本欽一が息づいているのです。
この番組によって、自分の中の、欽ちゃんの存在の大きさを、改めて実感できたような気がします。

え?

チャチャ、出演してない?
え、え、あのお兄さんたち、チャチャじゃないの?
え、え、え、じゃあ、あの金髪の人、勝俣じゃないの??
え、え、え、え、じゃあ、歌うたってるあの女の人、松居直美じゃないの???

え、え、えええええ〜〜????


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いない いない ばあっ!


幼稚園・保育所向け。


小学生の"りなちゃん"と、犬の着ぐるみのワンワン、人形のくぅ、ダーダが、歌ったり、工作したりして、遊ぶ。
『おかあさんといっしょ』の視聴者層よりもさらに下の年齢の子供を対象としているようだ。

見どころは、なんといっても「ちびっこマンたいそう」のコーナーである。
スタジオに子供たちを入れて、りなちゃんとワンワンが「♪ちっちゃくたってげんげん元気、ちびっこマン」などと歌いながら、一緒に体操するのである。

だが、一口に子供たちといってはみても、彼らはまだほんの1、2歳児にすぎない。
そのほとんどは、ただ地面に這いつくばって、静止していらっしゃる。
もしくは、立ち上がり、ただ虚空を見つめながら静止していらっしゃる。
そんな足元の光景をこれっぽっちも意に介さず、淡々と歌い続け、体操し続けるりなちゃんとワンワン・・。

たそがれ時に、年代もののワインでも傾けながら、ゆっくりと見てみたい番組だと思う。


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しぜんとあそぼ


幼稚園・保育所向け。


そんな事より1よ、ちょいと聞いてくれよ。しぜんとあそぼとあんま関係ないけどさ。昨日、道徳ドラマ関連のHP観てたんです。道徳ドラマ。
そしたらなんか虹色定期便がめちゃくちゃ誉めてあるんです。
で、よく見たらなんか注釈がついていて、97年度版、とか書いてあるんです。
もうね、アホかと。馬鹿かと。
お前らな、特撮如きで普段観てない道徳ドラマを観てんじゃねーよ、ボケが。
特撮だよ、特撮。
なんか親子連れとかもいるし。一家4人で道徳ドラマか。おめでてーな。
よーしパパ、キルケウィルスばらまいちゃうぞー、とか言ってるの。もう見てらんない。
お前らな、ふしぎガール星の生き物見せてやるからそのスペース空けろと。
道徳ドラマってのはな、もっと殺伐としてるべきなんだよ。
いつ話が尻切れとんぼに終わるかわからない、
解決するのかしないのか、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。小学生は、すっこんでろ。
で、やっと読んだかと思ったら、別のページが、99年度版には人気子役アイドルが出てた、とか言ってるんです。
そこでまたぶち切れですよ。
あのな、アイドルなんてきょうび流行んねーんだよ。ボケが。
得意げな顔して何が、アイドル、だ。
お前は本当にアイドルを観たいのかと問いたい。問い詰めたい。小1時間問い詰めたい。
お前、アイドルって言いたいだけちゃうんかと。
道徳ドラマ通の俺から言わせてもらえば今、道徳ドラマ通の間での最新流行はやっぱり、
虹色定期便の親父たちのツラがまえ、これだね。
とくに目つきに注目するのが通の見方。
今年の虹色定期便ってのは説教が多めに入ってる。そん代わり伏線は少なめ。これ。
で、喧嘩強そうな親父。これ最強。
しかしこれを見てると次からNHKの集金人にマークされるという危険も伴う、諸刃の剣。
素人にはお薦め出来ない。
まあお前らド素人は、文化センターで人気アイドル「パッツィー」のコンサートでも見てなさいってこった。


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くらし発見


社会科。小学4年生向け。


 一人一人の人間のくらしは、無数の人間のくらしに支えられて、成り立っている。
 普段は気にも留めないような、われわれのくらしの細部においてすら、ほかのだれかのくらしの成果なしにはありえない。
 この番組は、毎回、そんな単純でとても重要な事実を発見させてくれる。
 そして、手際よく図にまとめられてしまうようなくらし、くらしの細部に埋没し続けるくらし、事後的に見いだされるしかないくらし・・・
 そのようなくらしの映像に、ほのぼのとしたテーマ音楽がかぶさって、放送上の便宜的なひとつの区切りがつけられる。
 この映像と音楽のコラボレーションに、われわれは、心なごませるのか、それともいらだちをかきたてられるのか。
 ここには、くらしというものの本質が隠れている。


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2002年度NHK学校放送入門 
1994年度NHK学校放送に関するささやかなメモ
home 02.01.29