確かに、参考書を読み進めてもわからない箇所が出てきたら、
高校や予備校の先生にきくのが手っ取り早いといえます。
しかし、たとえば漠然と「この英語の長文の問題がわかりません」と言うだけの質問と、
「この長文の問題は本文のこの辺を根拠にして答えを出してみましたが間違えていました。なぜでしょうか」
と自分がどこでつまづいているのかを明らかにした質問では、その回答の中で得られるものに明らかな差が出ます。
また、そこまで自分の理解の妨げになっているものを分析できない、
すなわち「〜がわかりません」という質問しかできない、ということは、
問題集の解説があまりに貧弱か(そもそもそういう問題集を使うべきではないのですが)、
その問題は自分にとってレベルが高過ぎるということです。
その時は、まずはもう少し易しめの問題に当たるようにしましょう。
いずれにせよ、学習内容について理解に苦しむところが出てきたら、
「何」が「どのように」わからないのかを常に意識する必要があります。
ただし、上の例でいうと「多分、
この文の構文がこのようにとれてなかったから間違えたんじゃないかと思うんですが……」
などとわからない理由を勝手に自分で推測して言ってはいけません。
あくまでどういう状況のもとでつまづいたかを説明すればいいのです。
自分の理解の道筋を確かめるいい機会でもあります。質問をする際は、以上の点に注意しましょう。
やはり、勉強のしかたに関する質問となると、 もともと適切に答えられる人も少数で、自分の周囲の人も当てにできない場合も多いので、 インターネット上で質問を行うケースも出てくるでしょう。 こういった便利な質問の場があるということは大変よいことです。 質問をする場所としては、個人で管理している比較的小規模な掲示板など、 心ない回答があってもすぐに対応できるところがいいでしょう。 ただし、こういう場合は回答をしてくれる人たちも大学受験に関することを本業としているとは限らないので、 いくつか配慮しなくてはならない点が存在します。
自分がどの大学を目指し、その大学でどのような問題が入試に出るのかを明示した上で、 どのような参考書を使って、どの程度の成績を挙げているかを時系列に沿って知らせること。 成績も、たとえば「7月の代ゼミの記述模試の数学で偏差値60」などというように、 具体的にデータが信頼できる模試の偏差値を挙げるようにする。
たとえば「この参考書を使えば○○大学の入試は突破できますか?」とか、 「和田氏の本では『この参考書を使え』とありますがこれで本当に大丈夫ですか?」という質問ではなく、 「現在の実力で〜の分野について次に手をつける参考書としてはどれが適切ですか?」 というように、回答する側にとってアドバイスの余地がある質問をする。 ただし、最終的にはこのページや和田氏、福井氏の本などと併せて、 使うべき参考書を自分で判断すること。
特に自分にとって見ず知らずの赤の他人に質問するのだから、 言うまでもなく言葉遣いや感謝の言葉など最低限の礼儀はわきまえる。 誤字・脱字等も極力避けるようにチェックを怠らないこと。
回答する側が手際よく答えられるように、質問の本質に関係なかったり、 かえって質問内容を混乱させたりするようなことに言及しないこと。
特定の個人に対して回答を期待しないこと。
具体的な過去問や参考書の使い方については、 その使い方が合理的で自分にとって実行可能なものかを吟味し、 実行した上で起こった問題点について質問すること。 試してもいない勉強法について議論をしない。
「これだけ勉強しているのに、もうダメかも……」というように、 悲観する内容の言葉を質問に含めない。詳しくは、 「成功するための動機づけの方法」でも触れるが、 こういったネガティブな言葉は他の受験生にも悪影響を与える。絶対に避けること。 質問はあくまで客観的な現状報告の上で行う。
とかくインターネット上での質問は気軽にできてしまうので、 こうした留意点をついつい忘れがちです。 多くの受験生、そして何より自分のためにも、このように回答する方々を配慮し、 質問のしかたに気をつけ、役に立つ情報を引き出しましょう。