「まぐれでも成功することはあるが失敗には必ず原因がある」(野村克也)
「努力しても成功するとは限らないが成功した者は必ず努力している」(長州力)
おそらく、成功、すなわち大学受験の文脈でいうなら「志望校に合格すること」
とそのための要因との関係については、この2つの言葉に真理が凝縮されているといっても過言ではないでしょう。
すなわち、「これだけ努力すれば合格する」という保証はどこにもない、そして
成功から学ぶべき事柄はあまりにも少ないのです。
受験生は、とにかくゴールへ到達するための努力を尽くすほかありません。
その努力に役立つ事柄の多くは、失敗の中から学ぶものです。
ところが、受験生の目にする、耳にするそういった事柄の多くは、成功者のものなのです。
さらに、「E判定:合格可能性20%以下」とされながら受かってしまった20%以下の
「E判定」の受験生も、成功者の中に紛れ込んでいるのです。
しかし、真に役に立つ助言をこうした有象無象の成功者の言葉から
引っ張り出す方法がないわけではありません。
最低限「合理的に納得のいくものか」「自分が実行可能か」
の基準だけは守りましょう。
合格体験記に限らず、現役大学生、学校・塾の先生や勉強法に関する書籍など、
あらゆる「合格術」に関するアドバイスについてこの基準を当てはめて下さい。
少なくとも、「英語ができるようになるために英字新聞を英英辞典片手に読む」
「現代文や論文ができるようになるために本を大量に読む」
「数学や物理ができるようになるために何時間も同じ問題を『考え』抜く」
などという、「単なる根性論だけの勉強法」「実行不可能な勉強法」
には惑わされなくて済むようになるでしょう。
合理的で実行可能な勉強のやり方をアドバイスできる人は、
それだけ実に少ないのです。しかし、具体的に「この問題が理解できない」
というものがあるのなら学校や塾の先生を活用しましょう。
ただ、学習内容に関する質問であれ、勉強法に関する質問であれ、
自分のためになる回答を得るには、質問のしかたに気をつけなくてはなりません。
「よい質問のしかた」について、次の節で述べましょう。