作曲に限らず、コピーしたり聞き取ったりする際にもっとも大切なベースについて書きます。

 ベースというのは文字どおり「元となる音」であり、普通音程を鳴らす楽器の中で一番低いパートを受け持ちます。
 オーケストラではコントラバスがその役目を果たしていますね。
 普通のバンド編成ではその名もズバリ、ベースギターというのがそれです。

 ちょっと考えると、ギターやボーカルに比べて非常に地味なパートであるため、わりといいかげんに作っても問題ないように思えます。
 しかし、それは大きな間違いです。
 ベースは音楽の「腰」であり、「土台」です。
 すべての音楽はベースを中心にできているといっても過言ではありません(注1)。

 たとえば、サンプル1サンプル2を聞き比べてみてください。
 どうでしょうか?
 サンプル2に比べると、サンプル1は何だかスカスカしていませんか?
 つまり、この違いがベースの存在意義です。
 低音部分があまり聞こえない音楽はどんな曲でも全体的に軽い雰囲気になってしまい、ダンスミュージックすら「おもちゃのチャチャチャ」になってしまいます。
 フォークソングなどの音数が少ない曲ならまだしも、最近の曲はみなやたら忙しい曲ばかりなので、ベースは絶対に必要なパートと言ってしまってよいでしょう。

 ベースは、基本的には今鳴っているコードのルートを弾きます。
 たとえばCであればド、Amであればラ、ということです。
 もちろんそれはあくまで基本であり、例外は山ほどあります。

 例によって、すぐに役立つ実例は「ペース基礎の基礎」以降で紹介します。


この節の注釈

注1……すみません、過言です;_; しかし、ぼくがベーシスト経験者だから言うのかもしれませんが、どんなバンドでもベースに安定性がなければヘタクソに聞こえてしまうので、ベースをかなり重要視するのは間違いではないでしょう。
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