ハイヒール? ハイソール。



 先日、珍しく電車に乗った。
 そうしたら、面白い物を見た。

 年齢は10代後半で、
 常識を疑うような化粧を施した女の子だった。

 顔は特筆に値しないのだが(十分可笑しいとは思うが)
 問題は、履いていた靴だった。

 何と、靴底が20センチはあろうかという、
 ハイヒール、ならぬ、ハイソールの靴を
 お召しになっておられた。

 ちょうど降りる駅が一緒だったこともあり、
 2〜3メートル後方を歩きつつ、
 階段を上り下りする様を観察することが出来た。
 何とも、器用に歩いていること・・・。

 もう少し勇気があれば、
ソレ、歩きにくくない?
 と、聞いたところだ。
 そして、もし罰せられることがなかったとしたら、
 背後から愛情込めて蹴りを呉れてやるところだ。

 一言、言わせて貰うと、馬鹿じゃないの?
 20センチもの靴底で、足裏の感覚があるとは信じられない。
 全く機能性を無視している。
 もし、有事の際には「両足要りません」と言っているようなものだと思う。
 走ることさえ出来ないのではないか?

 ハイヒールは、まだ許せる。
 古来、武道家たちは、決して踵を地に着けることはなかった。
 格闘技には、「ベタ足」は厳禁なのだ。
 素早い体重の移動を行うためにも、
 彼らは常に爪先で己の姿勢や体捌きを制御する。

 俺にとって、ハイヒールがそれに該当する。
 ハイヒールを履いている女性を見ると、
「うむ、修業しているな。」という感慨を抱いたものだ。

 が、「ハイソール」は別だ。
 運転すら出来ない。
 それどころか、危険ですらある。

 もしこれを読んでいる方に「ハイソール」を好む方がいたとしたら、
 背後には気をつけた方がいいかもしれない。




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