1998年08月29日
〜31日
この日をどれだけ待ち望んでいたか。いよいよクジラに会える日がやってきました。ゴールドコーストのホテルから、飛行機で約1時間のハービーベイは、毎年冬の時期になると暖かい海を求めて南極付近からやってくる、HUMPBACK
WHALE、ザトウクジラの繁殖が行われるところです。オーストラリアの東側ではこの時期は北上するクジラを海岸でも見ることがありますが、例え大きな身体でも、やはり大きな海で見つけるのはちょっと難しいです。
その上、ホエールウォッチングクルーズは揺れる太平洋に出ていくので船に弱い人はどうしてもしりごみしがちです。ハービーベイは大きな島、フレーザー島が、ちょうど太平洋の荒波をブロックしているので比較的穏やかなクルーズとなります。クジラはこの島とオーストラリア大陸の間のハービーベイに入り込んで活動するのです。同じゴールドコーストからのツアーでよくあるモートン島はクルーズで太平洋側に出て見ることになるので、外海でのクルーズと変わりません。
一人で出かけていたのですが、途中の機内でオーストラリア人の日本語ガイドの人がプライベートで来ていて、クルーズ中もおしゃべりしたりで退屈しませんでした。マリーナを出て2時間ぐらいしたところで、船内にいたMARINE
BIOLOGIST、海洋学者とでもいうんでしょうか、が「8時の方角にクジラが近寄ってきました!」の言葉と同時に、船内にいたほとんどのお客さんがその方向へと向かうと、、、
この初めての光景はイルカに会うときの「かわいいー」というものとは全く違いました。私は動物園でも象より大きなものは見たことがないし、海にすむもので一番大きかったものは日本の大阪の海遊館にいたジンベイザメぐらいのものです。海に住む最大の生き物が、哺乳類が地上に住む哺乳類と出会う、単なる観光のお客とそこに住むものとの出会いといった単純なものではない雰囲気が漂いました。でも、相手が大きくても「恐れ」というものは全くありませんでした。
SPY POPと呼ばれる、海からまっすぐ頭を出すしぐさは、私たちがマスクをつけて海のなかを覗き込み、「どんな生き物がいるのかな」といった別の生き物との最初の接触を試みるときの動きそのものです。彼らも私たちにどんどん近づきます。そして、時間がたつにつれ、目が合う機会が増えていきます。彼らは何を考えて近づいてきてくれているのでしょうか。
クルーズの最中は2メートルにまで近づいてきてくれました。「近づいてきてくれた」というのは、この州、クィーンズランド州には規則があって、1.クジラを追いかけない 2.飛行機ではクジラの上300メートル以内に近づかない 3.船なら100メートル以内に近づかない 4.3隻以上の船で囲まないというのがあります。エンジンをきって彼らが近づいてくるのを待っています。野性の生き物の意思と生活を重視した重要なことだと思います。世界中のクジラやイルカクルーズがぜひ、同様の基準をつくって守っていって欲しいことです。
締めくくりに幸運のシンボル、クジラのテールを、、、
翌日は昼にシドニーへ向かうという早い帰りですが、どうしてもがまんしきれずに海に入って遊んでました。強い波にもまれながら、海に住むクジラとイルカと他の仲間たちにどれだけのことが今までできたんだろう、なんて考えてました。イルカたちに会って楽しい気分になったり、海で遊ぶと心はすごくリラックスするし、自分は海にこんなに楽しませてもらっているのに、って。
※クィーンズランド州環境局発行のパンフレットをもって帰りました。日本でもクジラやイルカのクルーズのガイドラインをつくっていらっしゃる方々など、興味をお持ちの方にはパンフレットをお送りします。ぜひメール下さい。
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