1999年03月27日
(今回は泳いでばかりいたので、写真が少なめになってしまいました)
今回、私たちは「ドルフィン&シール(あざらし)スイムがメルボルンにある」ということを聞きつけて、一路、メルボルンへと向かいました。と、いっても2ヵ月ほど前から計画を練っていたのですが、、、
メルボルンは、私たちのすむシドニーから飛行機で1時間いったところにあります。メルボルンは「1日のあいだに四季がある」といわれるほど気候が変わるそうで、初めてのメルボルン行のために暖かい格好をして大正解でした。クルーズの出発地は、空港から車でしたら2時間弱、私たちは電車とタクシーを使っていった、クィーンズクリフという町です。前の日までメルボルンにいたので、移動した当日の午後にクルーズに参加します。
このクィーンズクリフという町は、静かな港町らしく、というか漁港のようなところで、「どこからイルカクルーズが出るの?」と思ってしまうほど、観光の町というよりは、静かな漁村といったところでした。なので、目的の船を探すのに一苦労しました。やはり漁船の間に停泊していました。
この船は、40人乗りの小さな船ですが、簡単にいうなら、「サファリダイブにいくような船」です。定員のほとんどが「ドルフィン&シールスイム」を目的にしていますが、もちろん、乗って船の上から見るだけでも可能です。クルーズは午後1時に港を出発して、4時間で戻ってきます。乗船前に、ウエットスーツを試着して、マスクとフィンおよびシュノーケルのサイズあわせをします。船上で既往歴や水泳の出来不出来や距離などを申告して、所定の用紙に記入します。
15分ほどすると、乗っている人のシュノーケル練習(というかスタッフがお客さん全員のシュノーケル技術を把握する)ために、POPE'S
EYEと呼ぶ、アホウドリが沢山いる小さな岩礁につきます。ここでは岩礁のまわりのカレントが湾の中へと流れているのでまず流されてどっかへいってしまうことがないので、ちょうど練習台にはちょうどいいようです。ここで、まずはどぼんと、海のなかに入ってみると、、、本当に沢山の魚達がいました。3メートルほど潜って見ると、またまた違う魚達が。海が奇麗な証拠ですね。ケルプも沢山ありますので、その中をあるいはそのケルプに沿って泳ぐと本当に魚になった気分です。イルカに会いに来たクルーズですが、それを忘れて、海の美しさとそこで暮らしている魚との「一瞬だけど生活の場を共有した」というような喜びで、時間の経つのを忘れて何度も何度も潜っていました。
船に戻り、暖かいコーヒーなどをすすり、ちょっと休憩した後は、CHINAMAN'S
HATとよばれる場所です。ここは、ポートフィリップという湾に生息するシール(あざらし)が日光浴をするために集まっている、船のための標識です。同乗していた船のオーナーの犬がにぎやかにほえ始めたかと思うと、よく見ると、その標識の上には沢山の野性のあざらしがいます!そして、いよいよシュノーケルの開始。
船を離れてその”ハット”に近づくとあざらしがますます大きく見えます。暖かい陽にあたり、気持ちよさそうに日光浴を続けている姿を見ました。人が近づいても全く逃げようとしません。当然ですね、ここは彼らがすんでいるとこなのですから、どこへいく必要があるのでしょうか?といろいろ考えていくうちに、スタッフが「海の中」と指をさしているのが、そして顔を下げて見ると、また別のあざらしが泳いでいます。それを追いかけて潜ろうとするとまたまた別のあざらしが自分の足元を泳いでいます。そうです、足元を何頭ものあざらしが自由に泳いでいます。息の続く限り追いかけて、また海面に上がり、あざらしが潜った場所と方向を見つけてまた潜り、と。どんなことが起こったか覚えきれないほどの至福の時間です。とにかく潜って、手を差し出したり、目と目をあわせて、彼らのとおりにまねして見て、また他のがやってきての繰り返し。そして、彼らの目の何と奇麗なこと!時間の経つのをまた忘れてしまいました。
そして、再び船に戻り、次の場所へと向かいました。が、急に天気が崩れ、雨が降ってきました。イルカを探すためにあちこち回りましたが、イルカの姿は残念ながら見えませんでした。そっと船のスタッフに話しを聞くと、午前のクルーズでは15頭のイルカに会えたそうです。でもなぜだか不思議に、残念だったね、位の気持ちにしかなりませんでした。
実はこの船には日本人は私たちだけしかおらずに、3人のオーストラリア人(おばさん)姉妹、別々な2組のカップルと総勢15人ぐらいの家族連れのオーストラリア人という構成。この”団体”の目的はどうやら、「イルカ好きの娘さんのお誕生日祝い」だったのです。この女の子の背中には「イルカのタトゥー(入れ墨)」があったのです。そこまでのイルカ好き!この家族が、そして本人までもが「イルカが見れなかったー」という文句を誰もいわなかったのです!ほんとに。そんな中で、私たちだって、いくら遠くからきたといっても、イルカが見れなかったぐらいで文句はいえないでしょう?彼女にとってもこの大切な日は1年に1度しかないのだから。
そして私たち船の上でそれ以外に楽しいことがいっぱいあったのですから。例えば、シュノーケルをして船に戻ったときに、フィンをはずして上ろうとすると、上で見ていただけの人がフィンを受け取ってくれたりとか、自分達で広げていたお菓子を配り始めたりとか。船の上での人間どうしも、同じ「イルカやあざらしに会う」ということを目的として同じ場所にいるだけなのに、いつのまにか連帯感が出てきてと。そして、野性のあざらしと遊んだとか、奇麗な海にすむ魚が間近で見れたりとか、海にいるいきもの達との「空間の共有」簡単にいえば「お邪魔しても受け入れてくれる」広さ、そしてそこで、彼らと泳いだという、彼らとの連帯感。
あざらしと泳いだのはもちろん初めてですが、すごい感動!というよりは長く長く今でも続いている暖かい静かな感動があります。船を降りたときに雨が降り続けていましたが、寂しくなかったのはこのせいでしょうか、、、
後で知ったのですが、このツアーを扱っている日本人がいます。興味がある方はぜひ、連絡をとって見てください。グランデメールというところです。
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