転職失敗記その2

転職を決意

うちは所詮SE会社。
そうではなく、マルチメディアコンテンツやインターネットを専門に やっている会社に行きたい。
しかし、東京ならまだしも、Z市でどれだけあるんだろうか。

私はWebで探すことにした。自社ホームページも持っていない会社なんて、たいした会社じゃないと 判断したからだ。 そして、ある会社…E社を見つけた。 ホームページを見る限り、CGやインターネット、マルチメディアにも力を入れている会社のようだった。 ホームページのセンスも良くって、私はE社がすごく気になった。 そしてE社ではスタッフ募集をしていた。

スタッフ募集には会社の規模(社員数)も、給与も、なにも書いていなかった。とにかく、やる気のある人求む!という文面だった。今思えば、こういう書き方をする会社はあやしい。

当時、とにかく焦っていた私は、すぐさまE社にメールを出した。 そうしたら、返事が来た!
「実際に来ていただいて、弊社の雰囲気を肌で知っていただくのが重要だと思います。 一度御来社ください」
え!!いきなり面接?
ちょっとまてよ。いくらなんでも、自分はただのSE。CG関係のソフトも、業務の合間に覚えた 程度で、美大をでているわけでもない。 作品だって作ったことがない。
所詮素人が、いきなり就職できるはずがない。
ちゃんと、学校にいって勉強したらいいんじゃないだろうか。

私は考え直すことにした。
E社に謝りの手紙を書いた。ちゃんと実力がついたら、そのとき、まだE社で社員を募集していたら、そのときまた応募しよう!と決意して。

今度はスクールを探すことにした。 いまでこそ、Z市でもデジタルアート専門学校は乱立しているけど、当時は全然なくって、 しかも残業の多い自分にはとても通えないカリキュラムばかり。 なんとか、土日だけで履修できる学校はないだろうか…

そうだ、貯金もあるし、多少遠くたっていい。
ダメ元で、デジタルアートの学校といえばここ、いわばCG学校の代名詞ともなっている、 東京のA校のカリキュラムを見たら、なんと、土日のみ半年間のコースがあるではないか。
これだ!新幹線で通って、土曜日は東京に住む弟に泊めてもらえばいい。
学費、交通費をざっと計算して、なんとか支払いできることがわかった。
迷っている暇はなかった。私はすぐさま、電話で入校を申し込んだ。

それから約半年、土曜日新幹線に乗り東京へ、そして日曜の夜新幹線でZ市に戻る、という 生活が始まった。

前へ indexへ 次へ