プルームと生命の進化


 

 マントルの中をプルームが上がったり下がったりすることで、大陸が集まったり分裂したりします。また、熱いプルームが上がってくると、地上にものすごい量のマグマが噴出します。こうした事件は、生命の進化にも大きな影響を与えてきたと考えられています。

 ラン藻が群生してつくるストロマトライトは約27億年前からたくさんみられるようになります。27億年前といのは地球上にはじめて超大陸ができた時期にあたります。ラン藻は太陽からの光が届く浅い海でしか生きていけません。プルームから出てきた大量のマグマが陸地をつくり浅瀬ができて、はじめてラン藻が大発生したのです。

 カンブリア紀のはじめには、動物が爆発的に進化しました。カンブリア紀の爆発と呼ばれる事件です。このとき、それまでいたエディアカラ動物群が姿を消し、そのあとにチェンジャン動物群バージェス動物群といった新しい動物たちが現れました。これに対し、プルームによる超大陸の誕生と分裂がその原因となったのではないかという人もいます。このころ大陸は衝突・合体してゴンドワナという超大陸をつくり、また分裂しました。超大陸ができると、陸地の間にあった浅瀬がなくなってしまいます。このためすむ場所のなくなったエディアカラ動物群が絶滅してしまいました。そのあと大陸は割れはじめ、新しい浅瀬ができます。そして、だれもいない浅瀬に新しいタイプの動物たちであるチェンジャン動物群やバージェス動物群が進化したというのです。

 また、古生代から中生代にかけて、地球には酸素がなくなってしまいました。また同時に起きた生物の大量絶滅事件のあとには、新しいタイプの生物が進化しました。これもプルームの運動や超大陸パンゲアの誕生と分裂に関係があると考えられています。