行政改革の実行の目的

行政改革は、それ自身が最終目的ではない。より大きな目的の達成のための手段である。
より大きな目的とは何か?

それは、「日本の活力を回復させて、日本が世界の大問題を民主的に解決する原動力となることによって、日本人の幸福を実現する」事である。

行政改革をしないで、このままの体制でいると、深刻さを増していく世界の大問題(環境問題、エネルギー問題、食料問題、人口問題)に日本は、適切な対処ができない。なぜならば、官僚は本能的に「問題先送り」、「前例踏襲、横並び」を行動原理とするからである。

本来は、政治家が国民の声をもとに行政を制御していなければならない。しかし、選挙資金集めの都合,選挙区地盤の維持の都合,政策立案のための情報力不足などの総合的な問題のため、政治家は官僚に対して弱くなっており、本来の役割を果たしていない。この問題を、小選挙区制度の導入によって改善しようとしたが、選挙公約を守らない議員の続出と、当選後の政党移籍の続発で、ほとんど小選挙区制は機能していない。
政治資金と政策立案と選挙公約遵守と政党移籍の問題を解決する方策として、「政治公約券制度」を提言する。この制度の実行により、政治が民意を反映する事により、国民の意思に基づいた大きな権威を持つようになれば、政治が行政に対して、圧倒的に優位に立つと考える。また、国民の側も「長いものには巻かれろ、赤信号みんなで渡れば恐くない」というような「和の精神」を捨てる必要がある。その後、行政改革戦略を実行することで、行政改革が実現できる。

では、行政改革によって、先ほど述べた大目的の達成のためのどんな体制を構築するのか?

私の案は、次のとおりである。

(日本の新しい姿の案)

1 世界からみた日本の役割と体制:
(1)世界のために、海の資源から食料を大規模に生産する「海洋食料生産工
   場」となり、食料不足の国や地域に迅速に無料で海洋食料を供給する。
   もちろん、この海洋食料は日本国民のためにも利用される。
   日本は広大な、200海里経済水域を有することとなったので、これの
   実現の可能性は高い。
(2)世界のための「世界赤十字病院」となり、多数の病院船と病院飛行機を
   保有するとともに、大規模で高度な医療施設を保有し、災害や戦争で傷
   ついた人や難病で苦しむ人々に、大規模で迅速な無料の医療サービスを
   提供する。
(3)多くの環境保全システムや機器を製造して、多くの国に輸出する事によ
   って、地球環境の改善に貢献する。
   
2 国民からみた日本の体制
(1)都市生活者の住環境と通勤環境を大幅に向上させる。

   都市の農地に宅地並み課税をして土地を放出させ、出た土地に高層住宅
   を建設できるように法律を改正する。さらに、都市生活者のための社会
   資本の整備に予算を重点配分する。

(2)物価をドイツ並みに下げるために、経済への官僚の悪影響を排除する。

   物価を押し上げている不要な規制を撤廃する。公共事業体を分割し、大
   きく公共料金を下げることのできた公共事業体の職員ほど、良い給料が
   得られる体系として、競争原理を導入する。

(3)自由で公正な社会を実現する。

   そのため、行政指導・天下りを禁止し、すべての特殊法人を民営化する。
   公正取引委員会の要員と裁判官・検察官・弁護士の大幅増強をする。

   できるだけ、行政事務に競争原理を導入するとともに、行政事務を自動
   化する。そのため、簡単な行政事務をこなせる人工知能システムを開発
   するとともに、行政書士が人工知能システムに入力するデータを責任を
   もって公正に作成することを促進する制度を構築する。これによって、
   行政事務の高速化と恣意的な運用の排除ができる。

(4)老人の知力、行動力を増強させて、長く職場の第一線で活躍したり、趣
   味や娯楽を満喫できる体制を構築する。

   東洋医学にも健康保険を適用して、病気の予防を促進する。さらに、救
   急患者を除いて、病気の診断医師と治療医師を分離するとともに、カル
   テをICカード化して患者が所持するものとし、診断の正確さや治療の
   効果に対して報酬を支払う体制として、不要な医療費を削減するととも
   に、良い診断や良い治療をする医師の報酬が大きくなるようにする。

(5)憲法第9条を改正して、自衛のための軍事力の使用を認め、国連の活動  
   としての軍事力の行使への日本の軍事力の供与を認める。
   有事のための法制度を整備して、有事に官僚や自衛隊が暴走せず、しか
   も迅速・適切に行動できるようにする。

(6)日本の科学技術力を向上させる。

   農業や漁業への補助金を減らして、大学の研究費を10倍に増額する。
   
   特許法を改正して、職務発明において発明者が受け取るべき対価の金額
   の下限を、その発明によって企業が得た利益の10%とすることによっ
   て、発明を奨励して、科学技術を発展させる。

   優秀な外国人研究者が、どんどんとやって来るような環境や制度を整備
   する。




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