カンブリア紀の種の爆発
多細胞生物がいつ生まれたのかははっきりとは分かっていません。でも、私たちの目に見えるすべての生きものは、多細胞生物です。多細胞生物は、数センチから数メートルという大きな体を持つことができるので、大きな化石となって残ることがよくあります。こうした大きな動物の化石は、5億5000万年前、カンブリア紀の地層にはたくさん見られるようになります。しかし、それより前にできた地層には、ほとんど見ることができません。先カンブリア紀の最後の最後にようやく多細胞生物らしい化石が見られる(→エディアカラ動物群)だけです。 生きものたちはゆっくりと姿を変えて来たはずなのに、どうしてカンブリア紀には、たくさんの種類の生きものが急に生まれたのでしょう?その理由はまだよく分かっていませんが、超大陸の誕生と分裂とも関係があるという人もいます。
生きものたちは、親から子が生まれて、さらにその子からまたつぎの子が生まれるというつながりを通して、少しずつ姿を変えてきました。こうして、最初は一種類しかいなかった生きものが、今のようなさまざまな生きものに変わってきたのだと考えられています。科学者たちは、生きものの形や働きをくらべることで、どの生きものとどの生きものがより近い親戚で、どれとどれは遠い親戚だということを調べてきました。でもカンブリア紀には、たくさんの種類の動物たちがとつぜんあらわれています。中には今いる生きものや、化石の中に今まで見つかっている生きものとどういうつながりがあるのか全く分からないような、へんてこりんな動物たちもいます。そうした生きものは他とどういう親戚関係にあるのでしょう?
蒲郡海洋科学館に展示される、バージェス動物群やチェンジャン動物群などの化石は、まさにカンブリア爆発の時期にあたります。こうした動物の化石を調べることで、爆発的な進化の謎を解くことができるかもしれません。