最初の生命とエネルギー



 も、最初の生命が生まれたときには、地球上に酸素はありませんでした。でも、酸素がなくてもきちんと呼吸をして、食べ物からエネルギーを取り出すことができるのです。いまでも、酸素がなくても生きている生きものがいます。パンをふくらませてくれる酵母(こうぼ)という生きものや、川底や池の泥の中に住んでいる細菌は、酸素のかわりに有機物(ゆうきぶつ:生きものの材料となる分子)をつかって、食べ物からエネルギーを取り出しています。

 電子をあまりほしくない有機物 −−(電子)−→ 電子をもっとほしい有機物

 いう電子の流れから、エネルギーを取り出して、生活しているのです。生物が、分子の間で電子をうつし、エネルギーを取り出すことは、分子の種類に関係なく、呼吸ということができます。

 初に生まれた生命も、酵母などと同じように、有機物から有機物へと電子を移動させることで、エネルギーを取り出して生活していたと考えられています。原始の海にはたくさんの有機物があったので、かれらはそうした有機物をどんどん食べてふえていったのでしょう。

 も、かれらがふえていくにつれて、だんだんと有機物がへっていってしまいました。たいへんです。たべものがなくなったかれらはどうしたのでしょうか?