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 ご**** 

9月・10月というもの、日本にとっては台風シーズンだ。
この間からいくつか既に日本にも上陸していて、あちこちで被害があった。
そんなある日、社に来たF君と話をしているときに、F君が
「台風いっかが、通りすぎた割には晴れませんねー」と言ってた。
ちょうど秋雨前線と重なったので、確かに台風が通りすぎたあとも、
全然晴れなかったんだけど、ちょっとまって?(笑)
今の言い回しはおかしい。
例えていうなら、「頭上の上」とか「頭痛が痛い」と同じだ。
だって、「一過」に通りすぎるって意味が含まれてるわけだから(笑)

「F君、台風一過が通りすぎるって言い方はおかしーよー?」
と言うと、
「あー、そうですね。今回はひとつしか台風来てないし」と笑う。

ん?一つしか来てないのと、関係あるんかな?と思ってたら、
「やっぱり、"いっか"って言うくらいだから、4つくらい来ると
 しっくりくるのかなぁ」と更にF君が続ける。

え゛(笑)?まさか???(笑)

「ねーねー、"たいふういっか"って、書いてみて?」
「なんだ、Del さん、急になんですか?(笑)」
F君は、傍にあったメモ帳にペンできゅきゅっと書く。

台風一家

があああああああああああん(爆笑)
台風ファミリーかいっっ(笑)<一家
確かにな(笑)
「一家」が「通りすぎる」ってのは言い回しとしておかしかない(笑)
ひとつじゃ、「一家」じゃない、ってのもわかる。
判るけど…(笑) 20+α年、勘違いしてきたのかいっっ(爆笑)

「一家じゃなくて、一過だよー」ってメモ帳に書くと、
「だって、"台風の目"とかっていうから、擬人化して"一家"って
 ゆってんじゃないんですか?」
「ちゃう〜(笑) だから、"台風一過"で、通りすぎるって意味も
 含んでるんだってっ」
「ぅわー、勉強になりましたー」

(爆笑)

「たいふういっか」って耳にして、「ファミリー」の方の「一家」を
思い出すのは、やっぱりF君の言うとおり、台風の目、という
言葉からの想像なのかもしれないなぁ。
「北風と太陽」っていう童話があるけれども、絵本の挿し絵では、
雲が口をとんがらかして、旅人に風を吹き出してたっけ(笑)

ま、話は逸れてしまったけれど、
そんなこんなで、「台風一家」も巻き込んで、
今日のお題は「ご****」
「誤解」だっっ(笑)

【誤解(ごかい)】
ある言語表現の意味をとりちがえること。
また、ある事実について、こうであろうと誤って思いこむこと。思いちがい。

「一過」と「一家」のみならず、同音異義語や同訓異字語が多いし
日本語ってのは、ほんと難しい。
それも、さっきの台風の話じゃないけれど、
イメージがまとわりつくから余計に誤解を招いている(笑)

例えば新聞なんかで「帳簿を改ざんして脱税した疑い」とかって見出しがある。
「改ざん、なんてさぁ、簡単な漢字じゃない。なんでひらがな使うのよ?」
と思ったこと無いだろうか?
イメージ的に、数字を書き直して、金額を誤魔化している感じがする。
とすると「改ざん」って「改算」じゃん?ってな感じだ(笑)
しかし、「改ざん」って言葉は、数字だけじゃなくて
文書の文字、語句などを改めなおすことを指してるわけで「算」じゃまずいのだ(笑)
とゆーことで、正しくは「改竄」。

なるほどー、しかし、なんで、ここに「ねずみ」が出てくるわけ?
ああ、ねずみ算とかって言うし、やっぱり、関係あるのね、
とさらに思った人(笑)。
もう、あなたは、Del のエッセイの餌食です(笑)

「改竄」の「」、これは、「(ねずみ)」と字がよく似てるけど、
とうぜん、ねずみじゃない(笑)
「改竄」なんて書くことは無いだろうから、漢字まで覚えようとは思わないだろうけど、
「ふふん、私"かいざん"って熟語知ってるわよ。算数の"算"じゃなくて、
 "鼠(ねずみ)"って漢字なんだからっっ(得意気)」
ってな風にゆっちゃわないようにしましょう(爆笑)

さてさて、さらにさらに、こんな例はいくらでもある。
「更迭」って漢字を目にしたこと無いだろうか。
新聞では「首相は内閣の更迭を行った」とかって書かれてる。
ほぅほぅ。新しい人を送り込んだんだな。

ちょっとまったぁ(笑)
それ、どうやって読んでる?

ん?「こうそう」?でしょ?

違う(笑)
これ、送るって言う漢字と間違えられがちだけど、
送るという漢字じゃないんだよね。しんにょう+「」ですわ。
「更」は「こうてつ」って読むわけなんだけど、
どうしても「更迭」というと、人事などの入れ替えってことから、
人をり込む、ってイメージで、「更送」と思いがち(笑)

やっかいなことに、耳からNEWSなんかで「こうてつ」と聴いている人は
「更に送る」と書いて、特別に「こうてつ」と読むんだ、と
入り組んだ誤解をしている場合もある(笑)

口では「こうてつ」といえるのに、漢字で書くと間違うってパターン(笑)

いろいろあるでしょー(笑)

でもって、基本的なところで、
「かんぺき」書けますか(笑)?
「完」と書いてませんか?(笑)

うん?完成の「かん」に「かべ」だよね?

ちがう(笑)「」だ。「土」ではなく「玉」(笑)。

これまた、読み方は絶対に間違えないけれども、
書くと間違うパターン。

ワープロを打っていたら、「かんぺき」で「完璧」って
さっと出てくるし、「土」であろうが「玉」であろうが、
そんなの意識しない(笑)
んでもって、手書きの原稿で、「私のエッセイは完壁ですわっっ」と、
「完全な壁」になっちゃってたりして(爆笑)
全然完璧ちゃうやんけっってツッコミの一つでも入れたくなるわけだが(笑)

「かんぺき」の「ぺき」っていう漢字は、「かべ」の「土」の部分が「玉」。
なんで「玉」なのかってのは、史記に載ってるので、ちょっと、はしょって書くと、
戦国時代、趙王(ちょうおう)の使者として秦(しん)に出掛けた藺相如(りんしょうじょ)が、
(へき:環状の玉)を無事に守って、任務を果たして帰国したところから
きてるらしいんだ。
ま、そゆのがもとにあるんで、「完璧」って
要するに、瑕(きず)のない宝玉の意味なわけで、
これが「壁(かべ)」だと全然お話にならんのである(笑)
傷一つない完全なを作った、っていう、大工さんのお話なら、
「完」って熟語になってたかもな(笑)

若干名募集、っていうのをみて、
「若い人を人も募集って大企業だよね」といってくれちゃった人、
「破天荒」てのを「破天候」つまり、
人生晴れの日もあれば、雨の日もあるさってんで、
紆余曲折があることだと思ってた人。

例を挙げだしたらキリがないほどいろいろ誤解は数知れず。
だけど、誤解は正せば良いわけで、「?」って疑問がわいたら調べればOK。
ネットで何でも調べられる時代だしね(笑)

とはいえ、「完璧」の様に、完璧に間違った漢字を書いていることに気付かず、
さらに誰にも指摘されず(周りの人たちも意識してなかったんだろう)、
20+α年過ごしてきた人間も、ここにいますけどね(爆笑)
えぇ(笑)エッセイに挙げた例のうち、
実際Del 自身の体験談がいくつか混じっている、というのは、
オフレコにしておいてください(笑)

ってなわけでっ、今回のお題は「誤解」でした。
あなたが「誤解」していた何かが、このエッセイで修正されたなら、
これ幸いでございます(笑)

んでもって、この「言葉の誤解系エッセイ」がもっと読みたい人は、
Del のWeb Pageの「つれづれエッセイ」から、「あぁ、勘違い」や、
思いこみ」なんぞもご笑覧くださいませ(笑)
既に読んだって人は、ありがとー♪

んで、次回は「い****」ですねん。
「意表を突かれる」…‥・、あ、いや、これ第二回目に使こうたな(笑)
二度目になります「い****」をどうぞ、お楽しみにぃ〜。

あ、そうそう、来週はね、「side story」更新の週になりますので、
「しりとりエッセイ」の方はお休みさせてもらいます。
次回更新日は10/22(金)になりますので、どうぞ「誤解」のないように(笑)

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October 08, 1999
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