宮崎「スパイ」問題ってどうよ?
いわゆるFAQ

(01/09/28版・敬称略)

質問として考えられるものなど、メールでお送りください
大いに参考にさせていただきます。


 

#1- 基礎編

宮崎「スパイ」問題ってなんですか?/宮崎「スパイ」問題はどうやって発覚したのですか?/売り渡した情報とは何ですか?/で、宮崎氏はそれらについてどうコメントしているんですか?/中核派やオウム真理教って悪い集団でしょ?/別に公安調査庁に言うのはかまわないのではないですか?/でも宮崎さんは、「道義的責任は私にある」って認めてるじゃないですか。それを何で今さらネチネチ言うんですか?/宮崎さんは、「あれは切った張ったの世界にいた頃の話。「突破者」を出した後はそういうことは一切していない」と言っていますよ。/俺は宮崎は信用できる奴だと確信してる。貴様らは人を信用できないのか!
#2- 発展編

宮崎氏は何のために協力者になったと考えられるでしょうか?/宮崎氏の行為が事実としても、それは「スパイ」と呼べるものなのでしょうか?/そもそも宮崎氏は「突破者」で、自らが元公安とセットでグリコ・森永犯との容疑をかけられたことを示しており、この時点で宮崎氏は「公安と接触してもおかしくない奴」だという判断は成り立たなかったのでしょうか。

New!! #3- 我々?編

あんたら「宮崎学「スパイ」問題を糾察する会」って何者?/その「共産趣味者」とか「焚火派9・2共闘」とかは一体何者なのでしょう?/9・2集会で壇上からアピールした「市民」を名乗る人や、佐高信氏をヤジり倒した人たちはあなたがたの仲間ですか?/「公安調査庁のスパイを許さない市民の会」はあなたがたと関係あるのですか?

#1- 基礎編

よくある質問 その答え
#1-01
宮崎「スパイ」問題ってなんですか?
 当初は、「突破者」が大ベストセラーとなった作家・宮崎学が、同書を出版する直前、地上げなどを生業としていた頃、公安調査庁にオウム真理教や中核派の内部秘密情報を売り渡したという事実を指していました。
 しかしここに来て、宮崎がその後も公調との接触を続けていたのではないか、公安警察とも通じているのではないか、などという疑惑すら出ています。

#1-02
宮崎「スパイ」問題はどうやって発覚したのですか?

 公安調査庁の内部資料が外部に流出したことで発覚しました。
 初めに話題になったのは、3月末に発売された「別冊宝島Real・公安アンダーワールド」(宝島社)です。
 そして8月下旬に発売された「公安調査庁スパイ工作集」では、資料の全文が写真製版で掲載されています。
 なお、この文章自体について、公安調査庁キャリアで現在公調解体のために奮闘している野田敬生が、宮崎学への工作に直接関与しており、本物のコピーであることを証言しています。

#1-03
売り渡した情報とは何ですか?
 当時、オモテの顔として不動産業を営んでいた宮崎は、中核派に対して、バブル期に百万円単位のカンパをしたり、非合法組織や病気療養中の最高幹部へのアジト提供などを行っていましたが、これらの情報を公調にしゃべった、というものです。
 またオウム真理教に関しては、自分のもとに逃げ込んできた出家信者、川本氏の被逮捕を免れさせる代わりに、川本氏が持つオウムの内部情報を多数提供していました。
#1-04
で、宮崎氏はそれらについてどうコメントしているんですか?
 5月の時点で、資料を入手した、最大の被害者の1人である中核派は宮崎に謝罪と真相暴露を求めました。
 しかし宮崎は、当初はこれを「デマだ」として否定し、その後資料がネットで出回るや一転して一部の事実を認める、というジグザグ対応をしています。
 6月には、トークライブハウス「ロフトプラスワン」で本人が「オウム信者を被逮捕から逃させるために公調と3回会った」と事実関係の一部を認めた上で「道義的に悪いといわれればその通り、すべて被る」と坊主懺悔し、「取引をした相手は誰で、どういう取引をしたかということは墓場まで持っていかなくてはいけないことだ」と詳細を一切明かさないことを宣言。挙句の果ては「清く正しく美しくあったことなんて一度もありません」と完全に開き直ったのです。(トークの内容の詳細はこちらをどうぞ)
#1-05
中核派やオウム真理教って悪い集団でしょ?別に公安調査庁に言うのはかまわないのではないですか?

 公安調査庁は、別にカゲキハや右翼やカルト宗教だけを取り締まる機関ではありません。たとえ穏健なNPOだろうとも、それが権力者にとって都合の悪い集団になりそうであれば、スパイ活動を行い、最終的には憲法違反の疑いが極めて強い破防法団体適用を準備するためだけに存在する機関です。
 対象とされている組織が仮に市民社会と相反する存在だったとしても、そこに接触し情報を積極的に提供するということは、結果としてそういう組織の存亡を助けているだけです。
 まして当時、オウム真理教には団体適用が真剣に検討されていたのです。明らかに宮崎氏の行為は破防法団体適用を促し、当時リストラの危機に晒されていた公安調査庁を助ける役割を果たしています。

#1-06
でも宮崎さんは、「道義的責任は私にある」って認めてるじゃないですか。それを何で今さらネチネチ言うんですか?
 宮崎の行為は、直接にも、#1-05で書いたとおり、「私的な交友関係のために権力者を大いに助ける」行為でした。
 また、宮崎が今後も、「任侠の立場から」「反権力的な運動にかかわる」のであれば、あらゆる方向から運動に忍び寄るスパイ工作を撃退するために、自らが関わってしまった工作の全容を正直に述べ、その経験を全員で共有化していくのがそれこそ「仁義」というもののはずです。
 しかし宮崎は、そのいずれをも「拒否する」ことを明言しています。
#1-07
宮崎さんは、「あれは切った張ったの世界にいた頃の話。「突破者」を出した後はそういうことは一切していない」と言っていますよ。
 野田敬生氏によれば、少なくとも2000年10月まで、宮崎は公調関係者菅沼と連絡を取り合っていた、とのことです。しかもこの2人、野田氏が当時逮捕された件に関して暗躍したのではないか、という説もあるそうです。
 また、宮崎が「正義の味方」よろしく深く関わっているとある事件に関して、「これ自体、宮崎が公安警察に情報を売り、その後で支援をした『自作自演』である」というウワサも、信頼できる筋から流れてきています
 もちろんこれらは、いずれも事実関係の検証が十分になされているものではなく、今後一刻も早い真相究明が望まれるところですが、しかし宮崎は「ワシは作家活動に専念する」などとコメントし、その作業からも逃れようとする始末です。
#1-08
俺は宮崎は信用できる奴だと確信してる。貴様らは人を信用できないのか!
 ではなぜ、宮崎はこの問題が「内々に」発覚した当時はすべてを否定し、資料が出回り始めるや否や一部を認めたのですか?
 また、「会ったのは3回だけや」とロフトプラスワンで釈明していますが、野田敬生氏は「確実に少なくとも5回、恐らくは10回近く会っている」と断言しています。
 「0回」から「3回」に変わり、さらに実際は5回以上だ、というこのデタラメぶりは、他の本人「告白」についてもすべて疑わしく思えるのがそれこそ「自然」な発想ではないか、と我々は考えます。
 さらに、6月上旬、この追及を逃れるために参院選に立候補しようとし、そのために「勝手連」を自作自演よろしくデッチあげた話は間違いなく事実であり、この時点で既に宮崎が「その種の謀術を『身内』である選挙での支持者に対しても用いる人物である」というのは動かしがたい真実だ、とも言えるのではないでしょうか。

#2- 発展編

よくある質問 その答え

#2-01
宮崎氏は何のために協力者になったと考えられるでしょうか?

 野田敬生氏は、宮崎が協力者になった理由はたぶん「金」だ、と述べていますが、これは以下のように押さえるべきだ、と我々は考えています。
 宮崎氏は地上げ稼業をしていたわけで、当然バブル期には儲かりまくっていたはずです。そして、内部資料に出てくる「中核派への100万円単位のカンパ」はまさにこの頃の話であり(91年)、これは宮崎自身の儲けから出されていた、純粋なカンパだったものと思われます。
 しかしバブルが崩壊し、地上げがうまくいかなくなって借金に負われるようになり、ここで一転して「金のために」協力者となったのではないか、ということです。(「金」には、公調提供資金だけでなく、かくまったオウム信者川本から引っ張った2000万円、などのようなものも含めて)
(もしこの時点でも中核派にカンパをしているのであれば、それは直接、公調から出されていた可能性が高い、と考えられます)

#2-02
宮崎氏の行為が事実としても、それは「スパイ」と呼べるものなのでしょうか?
(1)「スパイ」という語感に厳密に当てはまらないのでは?
(2)「権力に売る」といっても対価として直接お金を受け取った話は出てきていませんよね?
(3)「スパイ」という語の持つ非常に強力なインパクト、「濡れ衣」だった場合に双方ともに強く受けるダメージを考えると、この語は非常に慎重に使われるべきではないのでしょうか?

 まず(2)については、そもそも「お金を受け取っていないなら売っていない」というのが、この文脈で使われる「売る」と、商売での「売る」を混同している、という、「議論以前の問題」であると言わざるを得ません。とりあえず国語辞典にリンクしておきましたのでどうぞ
 そして(1)については、一般的には「スパイ」とは「調査対象に悟られずに内部の情報を探り出す」という行為およびそれを為す人を指しますが、週刊新潮の記事『中核派に「公安のスパイ」と糾弾されたキツネ目「宮崎学」の内ゲバ騒動』によれば、宮崎は「幹部の居場所を漏らしたんはさすがに謝ったけど、それかて違法行為じゃないし、何が悪いんですか」と、ついに「内部の情報を漏らした」ことを認めてしまった模様です。
 もちろん、我々は一連の件が「漏らした」などというレベルの話でないとも考えています。野田氏がトークライブで分析した内容からは、宮崎が中核派非公然軍事組織の情報、すなわち、誰がどう考えても「絶対に漏れてはならない内部の情報」(ちなみに、それこそ「公安警察の分析」によれば、中核派革命軍は3人1組で行動するが、その3人は互いに相手の本名すら知らないのだ、とか。それくらい、内部の内部ですら高い機密性を貫いている情報)を公安に渡したことはまちがいない、と言え、単に「漏らした」などでは済まされないレベルの話なのです。
 最後に(3)についてですが、今回の疑惑が「真実と思うに足る」ものであることは、上記やこのFAQの#1-08などの分析から明らかだ、と我々は考え、相当の覚悟のもとでこの語を用いている、とお考えください。

#2-03
そもそも宮崎氏は「突破者」で、自らが元公安とセットでグリコ・森永犯との容疑をかけられたことを示しており、この時点で宮崎氏は「公安と接触してもおかしくない奴」だという判断は成り立たなかったのでしょうか。

 それ自体はまったくお説のとおりです。
 が、今回の件は、「単なる接触」とはわけが違います。情報を売り渡している可能性が極めて極めて高い今回のケースでは、それは何ら「情状酌量」要因にはならない、と思います。
 むしろご指摘の件は、「そんな宮崎氏をこれまでかつぎあげてきた人たち」が真摯に考えていくべきものとして、非常に有意義なものだと思います。

#3- 我々?編

よくある質問 その答え

#3-01
あんたら「宮崎学「スパイ」問題を糾察する会」って何者?

 我々は、宮崎学問題および個人情報保護法案反対運動に強く関心を持ち9・2実行委員会の任務遂行方針に疑問を覚えた共産趣味者たちの1日共闘グループ「焚火派9・2共闘」を中心とし、共産趣味者だけでなく、共産主義者やアナキスト、市民運動家などが集って8月29日に結成された有志団体です。
 連絡先は〒160-0023 新宿区西新宿7-12-1戸川ビル3-279 宮崎糾察 090-6374-6018です。

#3-02
その「共産趣味者」とか「焚火派9・2共闘」とかは一体何者なのでしょう?

 共産趣味者とは、「共産主義や左派運動を、自らがそれらを肯定するか否定するかには関わらず、とにかく何らかの好奇心をもって『観察』する」ことを趣味とする(当然ながら、実際の極左から極右思想の持ち主までが幅広く同居する)存在で、パソコン通信上で発生し、インターネット上で伸長してきた人々です。ともすると「オフザケ」と見える場合もあります(し実際オフザケという人もいます)が、数年前、「先進国」の左派運動中唯一インターネットでの情報発信をほとんどしてこなかった日本の左派運動について、その理論や情報を整理する作業を担ったのは他ならぬ共産趣味者です。
 一方、「焚火派9・2共闘」は"共産趣味者"を中心とし、しかし"共産趣味"という領域に飽き足らず、「1人1派1日共闘」を是として課題別に賛同する個々人のみが集い、
リアル社会でゆるやかに、アメーバ状に共闘することを志向するグループ「焚火派」の旗の下、実際に9・2集会を闘うために集った有志から成るグループです。
 「焚火派」と「焚火派9・2共闘」は同一主体ではありません。焚火派9・2共闘のメンバーは全員が焚火派ですが、焚火派の中には今回のこの取り組みには非賛同なメンバーもいますし、また「焚火派であり、しかし焚火派9・2共闘には参加していないが、9・2当日は会場で共に過激に闘った」というメンバーもいます。

#3-03
(1)9・2集会で壇上からアピールした「市民」を名乗る人や、佐高信氏をヤジり倒した人たちはあなたがたの仲間ですか?
(2)「公安調査庁のスパイを許さない市民の会」はあなたがたと関係あるのですか?

(1)(2)ともに、我々とはまったく関係がありません。
 我々は、かつて宮崎を応援し、それに対して現在曖昧な態度を続ける佐高氏の姿勢には問題がなくはないとは考えますが、あの集会で、「宮崎欠席」という状況下で佐高氏を弾劾することは明らかに筋違いだとも考えています
なお、(1)のうちの佐高氏をヤジった人々、および(2)は、主張やビラの内容から判断するに、革マル派系の諸君である可能性が極めて高いと思われます。
 革マル派は、我々とともに宮崎問題に取り組んでいる小西誠氏(「社会批評社」主宰・元反戦自衛官・元中核派で現在は同派を離脱)を荒唐無稽にも「権力の真正スパイ」呼ばわりしている集団です。我々は.ごく一部にある「糾察する会と革マル派は似たようなもの」という偏見にとても困惑しています

 


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