ストロマトライト(stromatolite)
時代:約19億年前
場所:カナダ北部
地球に初めて酸素をもたらした生きものは、ラン藻とよばれるバクテリアの一種でした。ラン藻は細い糸のような形をしていて、浅い海の底で群れになって生活します。ラン藻はまわりにねばねばとした粘液を出し、水中に巻き上げられた砂のつぶをくっつけてしまいます。その上に新しいラン藻が育ち、また粘液を出します。こうして、粘液と砂つぶが層をつくり、丸い岩になったのが、ストロマトライトです。ストロマトライトを縦に切って中をよく見ると、ラン藻がつくった砂つぶの層が一枚一枚はっきりと見えます。
ストロマトライトは35億年前という大変古い時代の地層にも見つけることができます。いまでも、オーストラリアの西海岸、ハメリンプールの海では、ラン藻が表面に生えた丸い岩、つまりストロマトライトを見ることができます。そのストロマトライトは今でも毎日大きくなっています。しかし、その成長はたいへんおそく、1年に0.5ミリメートル程度だといわれています。
酸素がでてくると、海に溶けていた鉄がさびとなって沈みます。当時の海は真っ赤に染まっていました。海の底には鉄さびが、厚くつもりました。こうしてできた地層が縞状鉄鉱層です。