プルームってなに?

水をたっぷりといれたナベを火にかけたところを思い浮かべてみましょう。ナベの底からは、温められた水が上に上がり、逆に上の水は表面で冷やされて、外がわのカベをつたって下に下がります。このような流れができるのは、冷たい水が温かい水よりも重いからです。冷たくて重い水は重力にひっぱられて下に沈み、逆に温かくて軽い水は上に上がります。
実は地球の中でも、同じようなことが起こっています。地表に近いところでは、マントルは冷やされて重くなりますが、地下の深い所では温かく軽くなっています。このために、冷やされたマントルが沈み、温かいマントルが浮かんでくるのです。
その様子を、地震の波をこまかくはかることによって見ることができます。温かいマントルは柔らかく、地震が伝わるのが遅いのに対し、冷えたマントルはかたく、地震が伝わるのも速いことが分かっています。このため、地震のゆれがたどり着いた時刻を、地球上のいろいろな場所ではかることで、どこが温かく、どこが冷たいかが分かるのです。
たくさんの地震をたくさんの場所ではかった結果、浮き沈みするマントルは、キノコ雲のような形になっていることが分かりました。原爆実験でできる傘のような雲のことです。キノコ雲は英語でプルームと言うので、浮き沈みするマントルをマントルプルームといいます。