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1999年07月28日

今回はシドニーから北へ進んだおなじみのポートスチーブンスへホエールウォッチングをしたときのお話しです。有給休暇をとってどこへ行こうかと考えているうちに、もう日にちがなくなり、シーズンぎりぎりのポートスチーブンスにかけて見ました。

朝からの天気がちょうどよく、冬の只中というのに思ったよりも暖かい1日でした。早朝より出かけて、いつものパブトラ(パブリックトランスポート、つまり公共交通機関)を使って、10時のクルーズへ。途中で、ボトルノーズドルフィン(バンドウイルカ)とご対面しましたが、「今日はホエールウォッチングなので船はこのままクジラを探しにいきまーす」の船内放送にちょっとがっくり。

外海も思ったよりも静かで、このまま好天が続けば「クジラに会えるかも」の期待が、、、という間にも、ウミガメ(私は見れなかったですが)、リトルペンギン(これは見た)、そしてシール(あざらし、これも見れたです)と出会い、外海に出る間も退屈せずにいました。そして、「後方にクジラが見えます」の放送とともに、船内はにわかに忙しくなりました。しばらくその方角を目をこらして見ると、300メートルほど先に「プシュー」と潮が上がりました。

船がゆっくりとクジラに近づいていきます。何度か姿を表わしているうちに、「船は100メートル以内に近づけないのですが、まだ距離がありますのでこのまま進みます」との放送。ええ、是非そうそうしてくださいと、わがままを心に抱くと、クジラが少しづつ遠ざかってしまうような。そうこうしているうちにまた姿が見えなくなりました。やっぱり、わがまま考えてしまうと駄目なんだろうなあ。

そして、太陽が薄い雲から出たときに、海が青く奇麗に見えるようになりました。するとまた、元気になったかのようにあるいは日光浴しに来たかのように出てきてくれました。そしてまた何度か海面に出てきてブローイング(潮ふき)したと思うと、静かになりました。そしてしばらく後、何の前触れもなく、その巨体を上げてブリーチングをして出てきました。その姿は、あまりにも一瞬のことで、シャッターが間に合わず、写真に収めることができませんでした。(飛沫だけ撮れましたけど)。その景色はまさに、有名写真家が撮った写真のように、その白いお腹をこちらに向けて。

でもその巨体を持ち上げたときの、ことは忘れられません。ドラマチックに聞こえるかもしれませんが、ほんの一瞬だけ、海が静かになったような。それはまさにその周りのいきものたちに畏敬の念を起こさせているような静寂。そしてその巨体がもち上がるとき、静寂はまだ続いていました。静かにそのからだの4分の3が海面より出て持ち上がり、くねらせてまた海にはいるとき、初めて「ザパーン」という私たちがどうやっても出せないような大きな音をたてる。そして私は我に返ったのです。

そのまま、時々ブローイング(潮ふき)を繰り返していくクジラを追いかけました。船内放送によると上空の飛行機からは他にも2頭いたということですが、このままこの1頭についていくとのこと。(この船は飛行機で上空からクジラを見つけ、それを船に伝え、船がそこへ向かうという方法をとっているのです)。今度は、幸福のシンボル、ホエールテイルをしっかりと見届けようと。そしてまた、大きなブリーチング。そしてちいさなブリーチングと2回続けて見せてくれました。(また、飛沫と尻尾だけです)。

そして、1時間以上、クジラを見た後、船は港へと戻りました。このクジラたちはこのまま北上し暖かい海で子供を育て、そして、9月の半ば頃また戻ってくるようです。NSW州に戻ってくるのは、またその頃から10月がシーズンになります。

ふと考えるのは、去年自分がハービーベイで出会ったクジラが大きくなって帰ってこないかな?ということです。もちろんそんなことは夢みたいなはなしですけれど。今日であったクジラにもまた会える日があったら、と思ったらとても楽しいじゃないですか。またチャンスがあれば、彼らが戻ってくるときにこの海で会って見たいものです。「寒いけど気をつけてな。またな。」なんて。


ちょっと小さめの画面になりましたが、またクリックで大きくなります。そろそろ望遠レンズのついた一眼レフでも買いたいなあと。

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